• みこべ

―自然の恵みに感謝していただく―

 麦っ子畑保育園は春が来ると開設43年目を迎えます。3年前に認可保育園になりましたが、保育の基本的なスタイルは変わりません。0歳児~就学までの子ども達がゴチャゴチャと一緒に過ごす毎日―。クラス分けはしていますが、みんなで関わる保育を大切にしています。午後になると学童クラブの子ども達が「ただいまー」と帰って来て、大きな家族のように夕方暗くなっても、大きい子が小さい子の面倒をみながら遊んでいます。一年中薄着で過ごして真冬でも窓は全開、めったにストーブをつけません。(クーラーもありません)給食は和食中心の昔の日本人がいただいていたような食事で、牛乳や卵、肉、砂糖は使いません。身元のしっかりした素材と、3.11以降は残留放射線症量も気にかけて選んでいます。お野菜中心の献立ですが、子ども達はモリモリお代りをしていただいています。食べっぷりの良さなら誰にも負けない子達がたくさんいて、見学に来られた大人が「私の倍は食べてる…!」とびっくりすることもしばしば。自然の恵みに感謝していただく食事は、長年に亘ってお台所で工夫を凝らして調理しているものばかりです。お台所は、子どもの遊んでいる姿がよく見える場所にあって、一人一人の顔や声を身体で受け止めながら作っていますから、逆に子ども達はお野菜を刻むトントントンという音を聞き、昆布のおだしのいい匂いに包まれて遊ぶことができます。これって、とても素敵なことだと思うのですが。2月になると卒園生のリクエストメニューが登場します。今年度は14人のリクエストが献立表に入っています。中には雲(3歳児)が作るお野菜の餃子や、カボチャのマリネ、白菜のしょうが焼き、納豆とうふうどんなど、麦っ子の子ならではのリクエストメニューが並んで、見ているだけで嬉しくなります。同じ材料、同じおだしで作るのに、子ども達が作ったお味噌汁はほんのりとやさしい美味しさがいっぱいになるのはどうしてでしょうね?

 認可保育園になって、まず直面したのが総カロリーと各栄養素の数値の壁でした。蛋白質やカルシウムをどう摂っていくか…?牛乳を飲めば簡単にクリアでできるのですが、大豆たんぱくや昆布、緑黄野菜をたっぷり使っても、なかなか目標値に達しません。小魚を活用したり、油を使ったり、お台所の苦労は並大抵ではありません。今でこそ大豆のアレルギーがある子は減ってきましたが、逆に増えてきた小麦アレルギーに対処していく為に米粉を使い、お代わりをごはんにしたりしています。お米もできれば5分付き米にしたいところですが、糠アレルギーの子も多いので、やむを得ず白米に西表産の赤米や黒紫米、雑穀を混ぜています。小さい時にしっかりした食事をしていれば、思春期にジャンクフードなどの横道にそれてしまっても、必ず戻ってくることは、今までの経験から分かっています。会社の同僚と外食続きの青年が、家に帰ってから野菜の煮物をつくったり、「麦っ子ごはん」といって雑穀米を炊いたりという話もよく聞いています。乳幼児期はお稽古事などに時間を取られたらもったいないです。とにかく目いっぱい遊んでお腹を空かし、和食中心のお食事をしっかりいただくことが、なによりも大切なことだと思っています。


                 麦っ子畑保育園 大島貴美子



  * 数値が足りないと役所から指摘された時、嘱託医の高野弘之先生に

    意見書を書いていただきましたので、添付いたします。

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