• みこべ

<一人にしない、一人にさせない、一人にならない>

若葉の季節になって、4月に入園してきた新人ちゃん達もだいぶ落ち着いてきました。それぞれ新しいクラスで、担任も新しくなって、みんなが新鮮な気持ちで過ごしていた4月ですが、なんと、熱やら嘔吐やら咳やらでお休みの子が続出…!ポカポカ陽気の過ごしやすい春のはずが、夏日に近い気温だったり、一気に2月の気温まで下がったりで、ついていくのが大変だったようです。特に初めて麦っ子に来た子にとっては、しんどかったですね。ベストなどで上手に調節して、少しずつ慣れていけるといいですね。


 昨日、学童クラブの懇談会がありました。今年の春は全員が揃うと30人を超すそうですが、新一年生のちょっぴり緊張した初々しい様子が微笑ましい毎日。

2年生以上の給食が始まった日にお昼寝をしたら、全員が爆睡だったとか―。毎日学校から帰ってくると「ただいま~!」と元気にお台所の窓に向かって挨拶する声を聞くのも楽しみです。そんなある日事件が起きました。担任のかっちゃんが学童に行ってみると誰もいないお部屋におもちゃが散乱していました。机の上にはS君のランドセルや教科書も置きっ放しで、園庭からは楽しそうに遊んでいる学童たちの声が―。そこでかっちゃん、「おーい、ゴミを片付けるからみんな集合―!」と声をかけてゴミ袋を広げた中にポイポイとおもちゃを入れ始めました。集まってきた子達も、黙って(かっちゃんの勢いに何も言えなかったか?)おもちゃをゴミ袋に…。次に机の上に出しっぱなしになっていた宿題やお便りを「これもゴミだよな」と袋に入れると、さすがにSくん泣きながら必死になって袋から取り出したそうです。Sくん、びっくりしたよね(笑)その後みんなで、おもちゃは何のために片づけるのか?と話しているうちに「みんなが気持ちよく遊べるようにする為」と返ってきて、他の人(周りのこと)を気にすることが大事だね―、という話し合いになったそうです。麦っ子の小さい子達が毎朝使っているゲルのお掃除、コッコ達がいるコッコ小屋のウンチのお掃除など、当番だから義務的にするんじゃないことに気がついてくれたらステキですね。

その話を聞いて、もうずいぶん昔のことですが、冬の冷たい雨が降っている日のデカのお当番で、Nくんが黙々とコッコのウンチがついた餌箱を水洗いしていたことを思い出しました。タワシを持っている手が真っ赤になっているのに「冷たい」の一言も言わないNくんがいじらしくて、見ていた私は泣きそうになりました。わずか5才なのにいつも陰ひなたなくお当番をしていたNくんですが、今では立派に成人して理学療法士として働いています。N くんに担当してもらう患者さんは幸せだろうと思います。きっと患者さんに寄り添って、心を込めて対応しているに違いありません。

さて、その日の懇談会では、親の皆さんに学童の子達が作ってくれたお味噌汁がふるまわれました。懇談会の最中なことをちゃんと分っていて「みこべ、お味噌汁だしてもいい?」と小さい声でささやいたAちゃんは、お盆にお味噌汁の入ったお椀を乗せてそ~っと運んできました。お箸を配る新一年生Rくんのたどたどしい手つきを見ながらやさしく教えてあげるUちゃんもいて、見ていてなんともほのぼのとした気持ちになりました。そして、温かくてお出汁のきいたお味噌汁のなんて美味しかったこと!!みんなの優しい気持ちがいっぱい入った天下一品のお味噌汁でした。学童のお味噌汁は、去年の夏、映画「いただきます」の続編「はなちゃんのみそしるgift」を連続上映したことがきっかけになって、おやつにお味噌汁が登場するようになりました。作るのは、お当番だから―とか、今日は〇曜日だから―とか決まってるわけではありません。たまたまその日に都合のつく人達が作っているのですね。昨日も「今日は〇〇と〇〇が味付けしたんだよね」だそうです。お味噌汁も飲んでほしい人の顔を思い浮かべて作れば絶対美味しくなりますよね。麦っ子のお台所のおとな達が、子どもの遊んでいる様子や声を聞きながら作っているのと同じですね。先週はみんなで握ったおにぎりがおやつだったし、毎日本当に楽しそうです。お家でも、お味噌汁の話題をよく聞くようになって、自分で作る子も増えています。

懇談会でもお話ししましたが、お味噌汁をいただくようになってから、おやつの時のたたずまいが変わってきました。それはただ単にお味噌汁を作る―ということだけではない、学童の大人達(かっちゃんとゆっちゃん)が、日常の大事な場面を見逃さないで、子ども一人一人の様子を把握して丁寧に場を作ってきた成果だと思います。勿論、お味噌汁の持つ力もありますが―。とはいえ、まだまだ子どもですから、時にはとんでもないことをしでかしてこっぴどく叱られてもいますが。麦っ子は担任じゃなくても、その場にいた大人がちゃんと付き合って、叱ったり話したりしていますが、「一人の子をみんなでみようね」の精神を失うことなく、これからも楽しく笑いながら向き合っていきたいと思っています。

*タイトルは、学童の懇談会で親に話した言葉です。   (2019.4.26)            

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