温かいお正月を迎えました。冬の季節に入ったというのに暖かい日が続いて、地球全体の温暖化を実感する日々でした。昨年の異常気象は、日本の各地で想像を絶する暴風雨が襲いかかり、住まいや田畑を失ったり、停電や断水が続いて日常生活が立ち行かなくなった地域も多く、未だ仮設住宅に住んだり、何とか仮補修をして不自由な生活を強いられているそうです。麦っ子でも大雨警報が出る中で休園になり、運動会を延期したりしましたが、映像を通して送られてくる各地のあまりの惨状に言葉を失いました。気象庁では「今後も同じような天候が毎年来ることが予想される」と発表。何年も前から、雨の降り方が亜熱帯地域のようだと感じていましたが、それどころではない…と不安が増します。
そんな折、元旦のNHKスペシャルで「未来への分岐点」という番組が放映されました。「これからの10年が人類の未来を決める」という内容で、地球温暖化のもたらす危機的な状況は、もし対応を誤れば、世界は後戻りできない末期的な状態に陥ってしまうかもしれない、というのです。地球温暖化、深刻な食料や水の問題を抱えながら、一方でAIや生命工学など進化し続けるテクノロジ-をどう制御していくのか…。この困難な問題に私達はどう向き合っていったらいいのでしょうか?日本は残念なことにこの問題に対する具体的な対応策を発表できないでいます。子ども達の10年後がどういう世界になっているのかを思い描き、国としての政策を示せないままの日本…。そもそも、あれだけの事故を起こした責任を国も東電も取らないまま、原発を即座に全機停止もしないで、再稼働を許したばかりか外国に輸出するなんて、いったいどういう神経なのか情なくなります。原発事故の後始末(…100年経っても収束できないといわれています)も出来ず、「under the control」なんて大見えを切ってオリンピックを誘致し、被災者に十分な補償をしないまま平気で仮設住宅を追い出しているこの国が、未来に責任を持つことができるのでしょうか……。
そんな中、福島県の会津地方で、市民達が出資する再生可能エネルギー会社「会津電力」が今月から、必要な電力を全て太陽光から賄う次世代農業ハウスを稼働させることになったというニュースが入ってきました(東京新聞)。福島では東北電力が「送電線に空きがない」として、再エネ発電の新規受け入れを止めており、売電型の再エネ業者は苦戦を強いられています。会津電力では地産地消型を進めることで電力の接続問題の壁を乗り越えて福島の自然エネルギーを拡大させる方針だそうです。会津電力は原発事故を機に地元市民達が「原発に頼らない電気を」と設立した会社で、約80ヶ所の太陽光発電所を建設してきました。地産地消型なら、送電線への依存が少なく、再エネが拡大しやすいという利点もあるのだそうです。市民発-!という再生可能な自然エネルギーが全国で拡大する動きが広がることを願っています。
海水温の上昇がもたらす異常気象_。海水温の上昇は、夏の暑さと冬の寒さが激しさを増し、各地域で今まで見られるはずがなかった現象が起き始めるといわれています。去年がまさにそうでした。実際、尋常ではない夏の暑さはこの2年続いて、麦っ子の夏祭りも中止せざるをえませんでした。夏の真っ最中もエアコンをつけずに過ごしてきた麦っ子ですが、このままだと来年は真剣に対応を考えなければならないでしょう。私たちが生活している神奈川県ですらこの状況です。世界のあちこちでは、水も十分に飲めず、干上がった大地から作物を収穫することもできず、伝染病が蔓延して多くの乳幼児が亡くなっています。このまま海水温が上昇し続けるようであれば、地球の資源は枯渇して生物が生きていくことも危うくなる…と、世界の様々な分野の研究者が口をそろえているそうです。大人には任せられないと、高校生のグレタ・トゥーンベリさんが国連の気候変動サミットで痛烈に大人を批判しました。
「すべてが間違っている。私達は絶滅への道を歩み始めているのに、大人達は金と経済成長の夢物語しか語れない。私達の子ども時代の夢を奪っておきながら現実から目をそむけ、若者に期待すると言う。私達は大人達の裏切りに気づき始めている」
大人達はこの批判にどう応えたらいいのでしょうか?今、自分にできることは何か、何に取り組んだらいいのか、毎日の生活の中で見失っているものはないのか、心してかからなければ本当に時間がないのです。化学物質の安易な使用や無意識に使い捨てているあれこれに目を向けて、そばにいる人達と問題を共有していくこと。地球規模で進んでいる環境破壊を少しでもくい止める手立てを模索していくこと。まだ、間に合うでしょうか…?
(2020.01.09)
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