酷暑の夏がようやく峠を越して9月になりました。台風の影響なのか朝から雨が降ったり止んだりしていた今日、チビちゃん達のお風呂タイムの時セミが鳴き始めました。久しぶりに聞いたミンミンゼミの力強い鳴き声に「あ-っ、セミだ~。セミが鳴いてるね~」と、星空の子ををお風呂に入れていたのちこチャンとにっこり♪今年はあまりの暑さに、ようやく土の中から出てきた幼虫が脱皮前に死んでいたり、カブト虫の幼虫がいっせいに飼育箱の中で土から出て死んでしまった…という話も聞きました。この異常な暑さや経験したことのない激しい豪雨などは、地球温暖化の影響だといわれますが、私達人間は一度立ち止まって生活の仕方を考え直さないといけない時期にきているのだと思います。それも待ったなし、の瀬戸際なのですね。
先月は出雲での「蘇れ生命の力」上映会、今月は天童イオンモールでの「いただきます」上映会がありました。特徴的だったのはどちらも農業女子の皆さんが主催したことです。四季折々の季節の中で、太陽や風や雨などの恵みを肌で感じながらしっかりと土を踏んで、稲作や果樹栽培に向き合う皆さんのみずみずしい感性。情熱。柔らかな心。地元の方々や近隣のお友達に声をかけていただいたおかげで、どちらの会場も盛況のうちに無事終了しました。出雲では収穫祭も兼ねて、野菜や味噌、天然酵母パン、ベジカレ―などの販売マルシェが併設されましたし、天童ではミントの葉っぱが会場に置かれて、爽やかな香りがいっぱいに広がっていました。ハッカといえば北海道の北見が有名ですが、発祥の地は天道で、天童から北海道にミントを持っていった人が品種改良を重ねて、今の有名なハッカオイルになったそうです。麦っ子にもたくさんいただきましたから、お庭のあちこちに植えようと思います。何年か経ったら優しい紫色の花が咲くミントでいっぱいになっているといいなぁ~。
「蘇れ生命の力」も「いただきます」も、その時の自分の状況や気持ちが違うので、響く言葉や場面が全く異なります。今回両方の会場での上映会に行って、ますますその思いを強くしました。 出雲で主催して下さった皆さんは活気のある若い農業女子で、ご挨拶に立ってお話しするうちにあふれるような思いで声が詰まってしまった方も―。手慣れた運営をするスタッフではない、たどたどしささえ感じる一生懸命な姿勢が初々しくて、私も胸がいっぱいになりました。おかげさまで2回とも、暖かくほっこりした雰囲気に包まれた上映会になりました。翌日実行委員さんとご挨拶に伺うと、館長さんが「ずいぶん集まったね!すごいね~!」とおっしゃっていたのが心に残りました。出雲西部のある自治体では、全保育園が牛乳を全廃したそうです。子ども達が乳製品に頼らない和食の給食を毎日食べることができるって、なんて幸せなことでしょう。清らかな水と豊かな自然に恵まれた出雲は、座間に住む私からはまるで桃源郷のように思えます。放射能の汚染を心配しなくてもよい安心安全な食べ物が食卓に並ぶ幸せ―。その話をすると「えっ?神奈川県なのに放射能の心配??福島だけじゃないのですか?」と言われてびっくりしました。原発事故の影響は福島県内だけにとどまっていると思っていたのです。その方に近い感覚を持っている人が多いので、事故後出雲に移住した人達は本当に苦労されているそうです。言われてみれば、確かに神奈川県でも「もう大丈夫」と思い込んでいる人のなんと多いことか……。
原発が爆発した2日後に降った雨は、スギ花粉の黄色と放射性物質を含んだ黒い色が混ざり合った雨でした。ヒロシマの原爆投下後に降った黒い雨はあまりにも有名ですが、あの時の雨を見た衝撃を忘れることができません。それだからこそ、麦っ子は食べ物の安全性にこだわるし、子どもに内部被ばくをさせない為にできうる限りのことをしているのです。
天童での「いただきます」上映会も大盛況のうちに無事終了しました。「JAてんどう」がバックアップしたので、2回目の上映会は婦人部の皆さんの研修だったそうで、一般の参加者も合わせて270席が満席でした(合計すると450人前後の参加者)。イオンモールの映画館での上映だったので映像も音響も素晴らしく、大スクリーンの中の子ども達の笑顔や夢中になって食べる様子は、Vin監督が「神々しい」と表現したみずみずしい命が躍動して迫ってくる子どもの姿がいっぱいです。若いお母さん達の親子連れの微笑ましい様子や、笑顔でいきいきと準備に動くスタッフの方々と一緒に、本当に幸せな時間を共有させていただきました。
農業女子!素晴らしい!!この子達の未来が、食を含めて安心して暮らせる平和な世の中になることを願ってやみません。 (2018.9.3)
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