

麦っ子の食事
麦っ子で出るごはんやおやつは、小児科医・真弓定夫先生の考え方を基本にしています。
日本人が昔から伝統的に食べてきた食事を大事にしながら、一人一人の子どもの身体の成長、アレルギーの状態、その日の体調に合わせて、できる限り細かく対応しています。また、野菜選び、調味料には特にこだわっています。
また、無・低農薬野菜、無添加の食品・調味料を使い、旬の野菜料理を中心とした食事です。
具体的には、
1. 旬のもの、その土地でとれるものを食べる。
2. 生きているものを食べる…生きているものとは、子孫を残せるもの、腐る事のできるもの、のことです。防腐剤だらけの食品、加工食 品、添加物は×
3. 一物全体を食べる…根菜は葉も皮も根も食べる。魚は頭から尾まで。
4. 化学調味料は使用しない…塩・砂糖は無精製のものを使う。
5. 自分の力で採れるものを食べる…古代、子どもたちは落ちた木の実・草・海藻などを食べていた。肉などは、その獲物を倒すだけの体力があるものでなければ、食べても消化・代謝するのにかえって負担をかけマイナスになる。
6. 歯の割合にそって食べる…人間の歯は5/8が臼歯(穀類をかむための歯)2/8が門歯(野菜をかむための歯)1/8が犬歯(肉・魚 をかための歯)なので、食べ物のバランスもこの割合にそうと身体にとって望ましい。つまり、野菜中心になる。
7. カルシウムの摂取を牛乳に頼らない…日本人にはラクターゼという乳糖を分解する酵素が欠けているため、牛乳は身体に合わない。(欧米人にはある)カルシウムは小魚・海藻・青菜・乾物などからとるのが良い。
8. 雑穀(ひえ・きび・あわ)黒米を普段の食事に取り入れる…雑穀は日本人が昔から食べてきたもの。(白米だけを食べるようになったのはごく近年のこと)たんぱく質、ミネラル・ビタミンが豊富で白米よりずっと栄養価が高い。また、小麦や米と一緒に食べるとアレルギーを軽減させる作用もあるため、麦っ子ではお米の中に約6:1の割合で雑穀をまぜている。本来、玄米の栄養価が高いが、ぬかにアレルギー反応を示す子どもが多いので、白米に雑穀を加えることで栄養も補っている。また、小麦アレルギーの子にはひえ粉や米粉で対応している。
9. 食器類はすべて手洗い、合成洗剤は使わない…食器は陶器・洗浄後は熱風消毒する。箸は国産天然木・うるし塗りの安心な物を使用。
アレルギー対応食について
麦っ子では、アレルギー対応食を「油なし」普通食のことを「油あり」と呼んでいます。[普通]でも鶏卵・乳製品は一切使いません。
昔は鶏卵・牛乳・大豆などの除去で全員に対応してきたのですが、今は小麦・米・芋類・果物・木の実など多様なアレルギー症状を持っている子が多くいます。油はそのとり方によって体調を大きく左右します。特にアレルギー体質の人には強く影響するので慎重に選んで、摂り過ぎないように心がけています。
「油あり」の食事とは…
麦っ子の普通食のこと。必ずしも油が使用されているわけではありませんが、使う油は、なたね油・ごま油・オリーブ油のみです。大豆製品(みそ・しょうゆ・豆腐・納豆)も「油あり」だけに使用します。魚を食べるならイワシのみ、時々イワシ節を使うこともあります。卵(魚卵)・肉類も使いません。
「油なし」の食事とは…(普通食に対してアレルギー対応食のこと)
大豆を使わないので、雑穀しょうゆや雑穀みそなど、原料がひえやあわの調味料を使用し、豆腐の代わりは、こんにゃく・芋・大根・かぼちゃなどで代用します。油を使用しないので「蒸し炒め」という無油調理法を活用します。水分は加えずに塩の力で素材本来の方法で素材本来の味を引き出す調理法です。多様なアレルギーを持つ子には個別対応をしています。
また、特にアレルギー体質でなくても空組(1歳児)以下は、全員「油なし」を食べています。3歳までは内臓が未熟なため、体の負担になるような食品を避けるためです。
小麦について…
毎日の主食はごはんですが、週に一度主食として麺とパンを隔週で出しています。
麺の日には「油あり」の子がうどんを「油なし」の子はごはんやビーフンを食べます。
パンの日には「油あり」の子は糖分を全く含まないハーブプラネットのパンを、「油なし」はごはんか三島パンを食べています。三島パンとは、小麦に雑穀粉を加え、仕込んでから2日発酵させることで、小麦のアレルゲンが変化して弱まるという考えのもと作られていて、糖分、油分を一切含まないパンです。小麦アレルギーで一般のパンを食べられない子も、これなら大丈夫な場合があります。おまんじゅうの皮のような和風パンで、蒸してから出しています。
それでも小麦は米に比べて身体を冷やし、胃への負担があると考えられるので、小さい子にはあまりたくさん食べることをおすすめしません。